ほっとねっと コーディネーター 藤井 公雄


pot私が施設の職員から、地域の方々の相談支援をするようになって6年が過ぎました。

この間、様々な人からご相談があり支援をしてきましたが、6年間ずっと通い続けている障害者のある方のお宅があります。

彼女は8年前に、事故でお母さんを亡くしてから1人で生活するようになりました。地域での仕事をするようになって、すぐに相談のあった方です。障害者の1人暮らしを支えるため、新米コーディネーターの私は制度や公的サービスの利用以外にも、彼女から「通っている作業所のスタッフや友達とケンカをした」「換気扇のフィルターが詰まった」「お風呂が滑って困っている」「郵送されてきた書類が読めない」などなど電話をもらうたびに「電話では確認できないから、お伺いします」といって訪問していました。

どれもこれも、行けば20分ほどで解決し、あとは話し好きの彼女のおしゃべりに付き合い1時間ほどの訪問でした。

彼女は訪問すると必ずお茶とお菓子を用意してくれていて、ポットに夏は「つめたい麦茶」冬は「あたたかい麦茶」をいれて待っていてくれました。そして「暑かったでしょう。これ飲んで」「寒かったでしょう。これで温まって」と言いながら笑顔で迎えてくれました。そんなことしなくてもいいよと説明するのですが、毎回彼女はお茶の用意をしてくれました。

当時の彼女は、身の回りのことはほとんど1人でできていたので、週2回ヘルパーさんが食事の用意などのために訪問してくれるだけでした。それ以外の人が訪ねることがほとんどない彼女の家に通い、障害のある人が1人で生活するための支援とは何かを、彼女とのおしゃべりの中で学んだような気がします。

現在の彼女は、送迎もしてくれる施設で日中を過し、毎日ヘルパーさんが来てくれます。地域の方々との連携もできてきました。彼女の1人暮らしの不安や寂しさも、いろいろな方々に支えてもらえるようになり、私のところへの電話も少なくなってきました。

彼女の家のポットもそろそろ「あたたかい麦茶」になるころです。

前回の訪問の時は、「つめたい麦茶」でした。

私が彼女の家に訪問し、「あたたかい麦茶」をごちそうになると、彼女との付き合いも7年目に入ります。