看護師 佐々木 佐代子


季節のコラム、お久しぶりです。
今年もまたさくらの季節がやってきました。
松戸はさくらの名所がたくさんあって、いつもこの時期になると往診や訪問看護で車に乗ってあちこち桜を見ながら走るのが楽しみです。
さくらの花を嫌いな人はいないですよね。「春がやってきた」感と、明るい前向きな気持ちをもらえて、私も大好きです。
さくらにまつわる色々な思い出を持っている人も少なくないでしょう。
私にとっても「さくら」はなんだか特別な思いがある花です。

10年前の春、1人の男の子が天国に行ってしまいました。
私が病院で勤務している時に受け持っていた18歳の白血病の男の子です。
背が高くて、明るくて陽気なKくん。みんなの人気者でした。
まだ若かった(?)私は、Kくんを自分の弟のように感じていました。
でも病気がとても難しく、治すことがとうとうできないまま、彼は旅立ってしまったのです。

Kくんが亡くなる半月くらい前に、Kくんのご家族と主治医の先生、受け持ちの私ともう1人の看護師 で、病院の近くの川辺に満開のさくらを見に出かけました。この時、もう歩くこともできなかったKくんがとてもにこやかにさくらを眺めていたこと、Kくんの 妹さんの嬉しそうな表情、先生も家族もみんなの顔がとても幸せそうだったこと。とても心に残るお花見でした。

その後Kくんが亡くなった時、お葬式でお父さんが私達におっしゃった言葉が今でも心に響いています。

「ちょうどさくらの時期に子供を失って、これからはさくらの花を見るのはつらいだろうって親戚に言われました。でも私はつらくないです。さくらの花を見るとKのあの時の笑顔が思い出せますから。」

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この時のKくんのお父さんの笑顔は、とても悲しいのにすがすがしく見えました。

お父さん 私も毎年さくらが咲くといつもKくんを思い出しています。
今年もきれいなさくらが咲くといいですね。
Kくんもきっと天国でにこにこしてさくらを見ていると思います。