法人事務局 千代 優美子


午前9時。診療所の朝がスタートします。医師は患者さんへの電話かけ。同行する事務は往診バッグの準備や、当日訪問する患者さんへの電話かけ。そして院内の事務は電話対応や、各自の仕事にかかります。あわただしい1日の始まりです。準備のできたチームから往診に出発し、10時過ぎぐらいには一段落します。

往診は、お天気のいい日ばかりではありません。真夏のうだるような暑さ、真冬の凍えるような寒さ、そして最近は台風並みの大雨の日もあります。辛い思いをされている方が待っていると思うと、暑いの寒いのと言ってはいられません。状態が落ち着いていて「変わりないです」と言われると ほっとします。

1日に回るお宅は、数軒から十数軒。時間との戦いでもあります。カーナビがあるとはいえ、初めて伺う住宅街は不安もあります。特に冬場は陽も短くなるので、辺りが暗くなってくると気持ちも焦りがちになります。

運転は専門のドライバーさんにお願いしていますが、車内は電話対応やパソコンやスマホの操作などで、なかなか忙しいのです。そんな時、信号待ちでふと目にする景色が心にしみることがあります。
高く澄み渡った空に ひつじ雲。夕日の中に浮かぶ街並みのシルエット。そこに小さく富士山が見えると、なんだか得した気分になるものです。あるいは歩道の草花たちに癒やされることも。

連絡はしたか、お渡しする物はなかったか、準備するものはなかったかと、頭をフル回転させながらの作業で少々オーバーヒート気味になった時には、ちょっとした気分転換が必要なのかもしれません。ふぅ~っと一息ついて、また新たな気持ちで次のお宅に向かいます。