求人案内
医師
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相談支援員・ソーシャルワーカー
総合事務職
医師募集(小児在宅医師・成人対象在宅医師)
年齢、専門、常勤、非常勤を問わず歓迎します
卒後10年目から8年目の3人の医師が、患者さんの命に責任を持てる医療を志し、在宅医療の黎明期から活動してきました。
現在、当法人は開設から19年の蓄積を持つ「地域で発生する全ての在宅医療ニーズに応える」あおぞら診療所新松戸と、我が国で最初で最大の小児在宅医療機関である子ども在宅クリニックあおぞら診療所墨田を擁し、約800名の患者様に医師の訪問診療を提供しています。
また、年間の在宅看取りが成人で80名、小児で15名と成人から小児に至る在宅緩和ケアの実施医療機関としてもその数、内容の幅の広さは特筆すべきものです。
更に、あおぞら診療所新松戸は、日本在宅医学会の専門医取得のための認定教育機関、日本緩和医療学会の専門医取得のための認定教育機関になっています。
また、当法人を経験して自分の在宅診療のクリニックを開設した医師は、内科6名、小児科4名になります。
当法人では、在宅医療の全てが学べます。在宅医療を学びたい、あるいは実践したい医師は専門、年齢、常勤、非常勤を問わず歓迎します。
これから益々高まる在宅医療のニーズに応えることのできる、経験と技術、知識を身につけたい方、ぜひ、当法人にいらしてください。
成人対象在宅医師募集について
あおぞら診療所新松戸 院長 星野大和
あおぞら診療所新松戸は、松戸市内で継続的な通院困難な方を断らずに訪問診療をしています。0歳から100歳まで、400名以上の患者さんの在宅療養のお手伝いをさせていただいています。
私は大学での初期臨床研修終了後、すぐに当院で訪問診療医としてのキャリアをスタートさせました。これまでの診療を振り返りながら、現在力を入れている4つの分野を中心に当院内科の紹介させていただきます。
- がん末期の在宅看取り
がん末期の患者さんが非常に多くなっており、市内病院からがん研究センター東病院、都内の病院まで幅広く紹介を受けています。当院ではがん末期の方は常時約20名おり、その中でも2名ほどの方が予後1週間程度となり頻回な診療をしています。病院一般科の外来ではフォローアップしきれないこと、ベッドがないこと、緩和ケア病棟の稼働が十分でないことなどの病院医療事情の一方で、病院ではなく住み慣れた我が家で最期の時を過ごしたいと思う患者さんが増えているからとも考えられます。2017年度は79名の患者さんを在宅で看取りましたが、そのうち57名ががん末期の方でした。
症状コントロールが訪問診療の主ですが、モルヒネやオキシコドンの内服製剤やデュロテップパッチなどのテープ製剤の調整、また内服では症状コントロールが難しい場合や難治性呼吸苦の場合に積極的にPCA(Patient-Controlled Analgesia)ポンプでのオピオイド持続投与を行い、症状緩和を図り在宅看取りを行っています(昨年度在宅看取りをしたがん末期57名中23名はPCAポンプ導入しました)。また肺がんなどの呼吸苦にはテープ製剤の効果は乏しくモルヒネが第一選択であり、少量ミダゾラムを併用すると更に効果的ですが、そのデータ蓄積も行っています。せん妄、悪液質、癌性腸閉塞など関連する症状コントロールもハロペリドールやステロイド、オクトレオチドなどで対応しています。
また近年のがん末期の患者さんとして、30-50歳代の比較的若年の方や独居の方、CVポート、経鼻胃管、ストマなどの医療機器がついている方が多い印象があります。若年の方は症状が多彩かつ激しくコントロールに難渋すること、がんの受け入れが完全にされていないこと、医療費限度額などの関係で経済的な配慮が必要なことが特徴です。独居の方は、生活を支えるところから介入が必要であり、突然死の対応、病院への入院時期を本人と相談することが重要です。医療機器がついている場合、退院前の物品などの事務的調整が不可欠ですが、訪問看護とのコラボレーションで十分在宅療養を支えることができます。当院は、このようないわゆる「困難」症例であっても断らずに受けており、在宅療養を支えられる医療的な技術や経験に富み、院内看護、ソーシャルワーカー、事務が医師を支える体制があります。
現在の病院医療体制では、緩和ケアを求めて行き場のない「がん難民」の方が増えてくることは確実です。その受け皿として在宅医療は一つの重要な選択肢となると考えます。夜間含め臨時往診も多く、看取りまで支えるのは大変ですが、「家で良かった!」と患者さん本人、ご家族に笑顔で言っていただける瞬間は何にも代えがたいものです。
- 神経難病の呼吸ケア
神経難病、特に筋委縮性側索硬化症ALSなど神経筋疾患の末期の患者さんも多く診療しています。当院では約10名いますが、病院での定期的な検査や治療がないこと、気管カニューレや胃瘻、尿道カテーテルなどの医療機器の交換が必要な方が多いこと、入院環境と比べ在宅でのケアの方がきめ細かくて良いと患者さんもご家族も思っていることが背景にあると考えます。ADLは全介助の方が多いですが、他疾患による寝たきり状態と異なり、呼吸ケアが重要です。呼吸筋麻痺や気管カニューレのみで人工呼吸器導入されていない方は肺にPEEPがかからず、肺機能は低下傾向になります。ガス換気と共に排痰機能も低下するため、気道感染合併リスクが高くなり、罹患した場合致命的になりえます。そこで当院では、非侵襲的陽圧換気法NPPV、カフアシストなど排痰補助装置による呼吸ケアを積極的に行っています。鼻のみのマスクを併用することで食事や会話もでき、これまでは4名のALSの方に導入しましたが、酸素化を維持し良い時間を数ヶ月にわたり延長し看取ることができました。NPPVやカスアシスト導入は本人の嫌がらない圧、時間で徐々に始めていくこと、マスクによる顔面褥瘡のケア、呑気による腹部膨満へのケアなどが注意すべき点がありますが、当院小児科では喉頭軟化症児に対するNPPV導入を以前から積極的に試みており、それによるノウハウを生かしています。またNPPVのみでは呼吸苦が緩和できない場合に、少量モルヒネをPCAポンプにて持続皮下点滴しています。ただまだ保険適応ではなく、今後の非癌における疼痛・呼吸苦緩和ケアの充実のためデータ蓄積をしています。
- 重症心身障害者のケア
地域には30-40歳代のADL障害を抱える方がいらっしゃいます。脳性麻痺や脳炎後の方、交通・スポーツ外傷での脊髄損傷や脳挫傷後遺症の方です。発達の程度で両者は全く違いますが、高齢の親が介護していること、40歳くらいから「老化」が始まること、NIPPVなどによる呼吸ケアが有効であることは共通しています。また前者の場合、受診や入院するとしても小児科か成人内科かどちらになるか問題になります(一般に小児科から内科へのスムーズな移行は同一病院内であっても困難な場合が多いと思います)。彼らの体調はケアに大きく依存しますが、日常的なケア量は多く在宅での訪問看護・介護に支えられ、またそのケア内容は個人差や家庭差が大きいため、実際のそのケアをみられる訪問診療は適しています。
- 独居高齢者を支える
独居の高齢者が増えています。例えば当院のある新松戸地区にはマンション群が複数ありますが、3-4割は独居というマンションもあるようです。東京都のベッドタウンである新松戸に住んでいた団塊の世代の方々が、高齢化を迎えていると考えられます。また、子供と住んでいても日中は仕事のためほぼ独居という高齢者も多くいます。当院では現在、完全な独居が10名います。独居の方の多くは、認知症や廃用症候群によるADL障害で定期的な通院は困難であり、訪問診療の適応となります。ただ、訪問診療だけで生活を支えることはできず、ケアマネジャー、訪問看護、訪問介護と連携をとることが重要になります。発熱など独居継続困難になった場合の親戚含めた連絡体制、入院をお願いできる病院の整備、end of life planning、突然死の対応などの枠組みを地域の多職種によるチームと共に形成しています。
以上、4つの点を中心に、当院内科が現在取り組んでいる在宅医療における問題について、述べさせていただきました。これらの分野は、どの地域でも問題となっていると考えられ、医学の発展、2025年問題、超高齢社会、多死社会の到来に伴い、医学的にも社会的にも更に重要になってくると予想されます。在宅医療はその解決の糸口になると考えられ、実にチャレンジングで興味深い分野だと思います。
私は、初期臨床研修の地域研修で、良好な医師患者関係を築き生活含め患者さんの全てに相談にのる主治医、「かけがえのない主治医」として診療する訪問診療医をみて、自分もそのような医師になりたいと強く感じました。症状だけでなく生活を含めて患者さんを診る訪問診療はそのような主治医になれる最良の道であると確信し、訪問診療の扉を叩きました。一人一人の患者さんの困りごとに真摯に耳を傾け、症状を緩和・コントロールし、生活を支える、その積み重ねで患者さんを支えることができ、「かけがえのない主治医」になれる、まだまだ未熟ではありますがそう信じて訪問診療をしています。
もし当院でご一緒させていただくことができましたら、「かけがえのない主治医」になる道のりを一緒に歩みながら、在宅医療が挑むこれらの問題を共に取り組み、技術やノウハウを身に着けていただくことができます。
先生方のキャリア、目標、働き方に最大限配慮させていただきますので、まずはお気軽にご相談下さい。
連絡先 | <はるたか会 法人事務局> 担当者:千代優美子 TEL 03-6658-8792 |