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理事長挨拶

0歳から100歳までを支える
あおぞら診療所の在宅医療のルーツ

医療法人財団はるたか会は、1999年、現法人理事長の前田浩利と、大学の同級生であった和田忠志氏(現千葉県柏市ひだまりホームクリニック院長)と同大学の後輩であった川越正平氏(現医療法人財団千葉県愛会理事長)で設立した千葉県松戸市のあおぞら診療所での活動をその起点としています。
私たちは、研修医時代に、「良い臨床医」とはどういう診療を行う医師なのか、そのような医師になるためには、どのような研修や経験を積めばよいのかを話し合い、追求してきました。
その道ゆきで出会ったのが、元聖路加国際病院院長の日野原重明先生でした。
日野原先生は、和田氏を中心に私たちが議論しながら書き溜めてきた、良い臨床医になるための研修とそれを受ける研修医の姿勢についての文章に目を通して下さり、それを医学書院から出版できるよう後押ししてくださいました。
そして、その際に、「主治医とは、患者さんの人生と命に責任を持てる医師」であると仰いました。
その言葉は、私たちに、強い印象を与えました。「主治医」になる、そして、「主治医」として患者さんにかかわるためにどうしたら良いのか、それが私たちの命題になりました。
あおぞら診療所は「主治医」としての医療実践に挑戦するためのフィールドとして誕生しました。
そして、そのために、私たちが選んだ方法論が、当時、まだ産声をあげたばかりの「在宅医療」でした。
患者さんが、住み慣れた「我が家」で最期まで安心して暮らせる、それを手伝わせていただく、まさしく、「患者さんの人生と命に責任を持てる医師」の実践フィールドだと思われたからです。

さらに、私自身は、「限られた命」を生きる子どもたちに惹かれていました。
研修医の時に出会った忘れがたい3歳の男の子、親友とも言える忘れがたい心の交流をした彼は、酸素テントの中で苦しみながら亡くなっていきました。
集中治療室のベッドで、私の白衣の袖をしっかりつかんで離さなかった14歳の女の子も苦しい息の中で亡くなっていきました。
この子たちに応えたい、治らない病の子どもたちのそばにいたい、そんなえも言われぬ想いに突き動かされて私が辿りついたのが、子どもと家族を家で支えるこどもの在宅医療でした。
「患者さんの命と人生に責任を持って最期まで支える」という主治医の理念と、私自身の「限られた命を生きる子どもとご家族のそばに居たい」という願いが一つになって、当法人の0歳から100歳までを支える在宅医療が生まれました。

現在、我が国は世界に先駆け、人類未曾有の少子高齢社化のビッグウエーブに直面しています。
それは、我が国の医療・保健システムにかつてない変化を求める波です。超高齢社会、死亡者の急増、医療ケアの必要な障害者の増加がその内容です。

私は、私たち日本にはそのビッグウエーブを乗り切り、高齢者も、障害者も子どもも、大人も多くの方が幸せな人生を送ることのできる社会を創出できる力があると信じています。
医療法人財団はるたか会は、微力でもそのような未来の日本を実現できるワンピースになることを志して日々の活動をおこなっています。

私たちの法人の活動は、これまで分断されていた医療と生活、病院と地域を結び付け、新しい医療の在り方を模索するプロジェクトでもあると思っています。

一人でも多くの方に、このプロジェクトを理解していただき、参加いただけたら何よりの幸いです。

医療法人財団はるたか会
理事長 前田浩利