【症例】1歳0ヶ月男児
【診断】#13 trisomy、#臍帯ヘルニア、#大動脈縮窄症、#ASD、#両側口唇口蓋裂、#両側停留精巣、#正中部頸嚢胞、#先天性脳梁欠損s/o、#その他(小泉門頭部欠損、顔面血管腫、眼科的異常)
【経過概要】
母体は39歳3経妊2経産。在胎38週1日, 2382g, Ap7/9で出生。出生直後より啼泣あるも続かず、一時的に補助呼吸施行。数時間で自発呼吸は安定しNICU入室した。NICU入室後しばらく補助呼吸を必要としたがその後呼吸補助なく管理可能となった。
その他、臍帯ヘルニアが認められたものの日齢1に根治術施行し、術後1日目より経腸栄養開始した。その後特にトラブルなく経過している。
日齢2に動脈管閉鎖し、心房中隔欠損症は存在するが小さく、循環動態に異常を来す程ではなかった。大動脈縮窄症は軽症で、こちらも循環動態に異常を来す程ではなかった。ともに無治療で経過観察の方針となった。
主な問題は啼泣時のSpO2低下, チアノーゼであり、これに対しHOT導入し生後1ヶ月7日で自宅退院の運びとなった。
【超重症児スコア】
HOT8点 吸引1日6回以上3点 経管栄養5点 体位交換1日6回以上 3点 計19点 準超重症児
【家族背景】
母:30代、まじめな性格で妊娠5ヶ月頃うつ病を発症。かかりつけの心療内科クリニックに通院し、児の出産時には状態安定していた。児の出産まで会社勤務をしており大きなプロジェクトも任される状態であったため、育児に専念してこのまま社会と隔離されて生きていくことにも自信がない、との言葉もあった。親戚に障害児を受け入れる気持ちがなく、酷い言葉をかけられることもあった。
父:40代、会社員。母方の親戚との窓口は父。親戚から心ない言葉を受けて傷ついたが、母方の祖母に児の姉達の面倒をみてもらわなければ児の病院にも行けないため、板挟みで辛かったと。職場で児のことを話し、休みを調整することが辛かったとの言葉もあり。
上記の言葉もあったが両親の愛着形成は良好。A大で「生きて産まれてくるとは限らない、産まれてもすぐ死亡する」と言われていたので、一緒にいられる事に大きな喜びを感じていると。
長姉、次姉の4人暮らし。
【医療デバイス】 HOT 2L、吸引器、SpO2モニター、胃管チューブ
【栄養】自律哺乳:経口+経管1日70ml×7回 自然滴下
【医療やケアのスケジュール】
退院後の定期外来はBセンター新生児科(成長、発達)、小児科(心臓)、眼科でフォロー。あおぞら診療所新松戸の月2回の往診、平日毎日訪問看護の予定。