【症例】 53歳 女性
【診断】 #1 膵癌(膵体尾部癌)
【往診までの経過】
生来健康。2012年夏(50歳時)に人間ドッグで腫瘍マーカーCEAの軽度上昇を認めたが、この時点では膵癌は明らかでなかった。同年11月に近医を受診した際にCEAは100を超え、大学病院を紹介され膵癌と診断された。
2013年2月より、局所進行膵癌に対してGSL療法(自主臨床試験、GEM・S-1・LVを併用)を開始したところ著効し、比較的安定した状態が続き、外来で化学療法を続けた。
2014年11月(52歳時)に肝鎌状靭帯、骨盤播種。
2015年1月にmFOLFIRINOX療法を開始したが、同年10月(53歳時)に骨盤播種が増大し腹水が出現し、GnP療法を開始した。
2016年1月22日、CTで骨盤播種増大、腹水増加を認め、腫瘍マーカーも上昇傾向となった。腎機能が徐々に悪化し、3月1日に受診した際にCre 1.29まで上昇していたため利尿剤を中止し、化学療法も中止した。大学病院緩和ケアチームから当院を紹介され、2016年3月9日訪問診療導入となった。
【生活歴】
<ADL>歩行可 <排泄>自立 (おしりを拭くのが大変)
<食事>経口摂取可能
【日常生活自立度】 寝たきり度:生活自立(J2)
【家族背景】
夫と長男と3人暮らし。長女は結婚しており、近所に住んでいる。日中は自宅で1人で過ごしている。
【医療デバイス】 CVポート、左腎瘻、腹腔ドレーン
【医療資源】
訪問診療、訪問看護、ケアマネージャー、介護保険
【退院時処方】
リパクレオンカプセル、リリカカプセル、リリカカプセル、ネキシウムカプセル、マグラックス錠、ラキソベロン内用液、ラシックス錠、人参養栄湯、レンドルミン