【症例】27歳男性
【診断】#重症新生児仮死 #尿路上皮癌
【経過概要】
在胎41週3805gで出生。重症新生児仮死でA病院NICU入院。その後は自宅で母の介護を受け生活していた。15歳で経管栄養開始、16歳で胃瘻造設、噴門形成術施行。
2006年17歳であおぞら診療所新松戸の訪問診療開始。脳性麻痺・痙縮と骨格変形が強く、エアウェイによる気道確保と持続吸引・ボトックス注射を継続し安定して過ごしていた。
2008年8月に初めて血尿認め、2012年に再度認めるようになり尿路結石疑いとして経過観察されていた。2013年5月にB病院にてCT施行し結石等の所見なく、2013年8月尿細胞診施行、ClassⅢb認め腫瘍疑われたが、造影CTなど検査に伴うリスクがあること、悪性腫瘍であったとしても脊椎の変形強く外科的介入も困難である可能性が高いことをご家族にご説明・ご相談の上、積極的な検査・治療は行わず、疼痛・尿閉など自覚症状出現した場合のみ治療介入する方針となった。
その後も血尿続き、2015年8月血尿増え、凝血塊認めるようになり、造影CT施行にて膀胱尿道移行部に尿道腫瘍認めた。2015年12月に尿閉認め尿道バルーン挿入にて対応、膀胱ろう造設の方針となった。
【家族背景】
父:同居。幼少期からご本人とはあまり関わってこなかった。
母:家で内職の和裁の仕事をしながらほぼ一人でご本人をずっと見てきた。腫瘍があることが判明した後も、積極的な治療は望まず、症状緩和を望んでいた。ご本人終末期にあることについてよく理解され、受け入れられているが、寂しいと感じられていた。
弟:同居。働いている。
【医療デバイス】
胃瘻(2005年?) 膀胱ろう(2016年3月?)
在宅酸素虜法(2016年4月?)
【医療資源】
訪問診療(月2回)、訪問看護(月2回)、訪問介護
を基本として適宜臨時で介入。
【Problem List】
#1.脳性麻痺(定期的なボトックス注射)
#2. 尿道悪性腫瘍最末期