Natural history and parental experience of children with trisomy 18 based on a questionnaire given to a Japanese trisomy 18 parental support group
出典:American Journal of Medical Geentics Part A Volume 161 Issue 7 July 2013 Pages 1531-1542
要約
対象
完全型18トリソミーの患児65例(うち女児68%)
方法
18トリソミーの子を持つ親の支援団体の協力のもと、質問票を用いた調査を実施した。
結果
出生前に診断が確定したのは17%(11/65)で、帝王切開による出産は57%(37/65)であった。
出生時の在胎日数は平均で38週6日であったが、出生時の平均体重は1,920g (-2.6SD)と低体重であった。
合計51%に無呼吸のエピソードが出現した。13例に全身性けいれん発作がみられ、投薬で無再発だったのは少数であった。集中治療室で加療されたのは36%、間欠的陽圧呼吸が行われたのは45%。気管切開、胃瘻造設から心臓手術を含めて外科手術が行われたのは9例で、栄養については完全経口摂取が15%の児で可能であった。自宅に退院となったのは全体の45%であった。
自宅退院となった児では、緩徐ではあるが一定のペースでの精神運動発達がみられた。また、10歳を超えた長期生存例4例のうち2例は自力歩行可能となった。
生存期間が1年を超えたケースで生存と有意な関連性が認められた因子は、出生後に診断されたこと、正期産であること、出生時の体重が重いこと、気管軟化症がないこと、抜管可能だったこと、経口摂取が可能なこと、および自宅退院したこと、であった。
両親は皆子供の介護に積極的であった。
また、患児は生存期間を通じて両親および兄弟と意思の疎通や感情表出が可能であり、家族として有意義な時間を過ごすことが可能であった。
結論
18トリソミーの患児の医療、福祉、行政対応について指針を策定する際には、こうした両親の視点や18トリソミーの自然史を踏まえての検討が必要である。