・気道クリアランス:外界より吸入された細菌や異物,気道内の過剰な分泌物や細胞残渣などを粘液線毛輸送によって口側へ運搬排除し排痰させる機能
.正常な粘液線毛輸送機能を維持するためには,上皮細胞の線毛運動とそれに接する気道液との協調作用が不可欠であり,その規定要素として上皮細胞の線毛運動周波数,気道内分泌物の量およびそのレオロジカルな特性などが挙げられる。
・気道クリアランス障害を呈する疾患では,
1)気道上皮細胞の線毛運動を活発にさせ,局所に滞留した分泌物を体外に排出させる.
2)気道における粘液分泌を減少させることにより,気道液の粘稠度の低下を図る.
3)閉塞性換気障害を合併する病態では,必要に応じて気道を拡張させる,などの対策が必要
・気管・気管支軟化症は,息を吐いたときに気管や気管支の断面が扁平となり,内腔が狭くなる病気です.原因は気管支の近くにある大きな血管(大動脈)による圧迫や,気管の壁の中の軟骨がもろく弱いため,あるいは気管の発育異常によるものです.先天性食道閉鎖症の約10%に治療を必要とする気管軟化症が合併します.
気道クリアランスを決定づける因子:①排痰による必要な吸気換気量と咳流量の確保、②適切な繊毛運動、③気道の確保